○愛より恋より好きより→伊野尾慧○
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#JUMPで妄想
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フォロワーさま400人突破記念企画
(mikanさんリクエスト)
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Very Thanks!!!
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『〇〇〜、ご飯は?』
「できるから、お箸並べた?」
『もちろん。お皿もコップもお茶も出しました〜』
「よろしい!」
俺がアイランド型キッチンを望んだのには1番の理由がある。
「…そんなに見ないでよ。」
『いいから!早く早く!』
「はいはい…もうできますよ。ご飯とお味噌汁、よそって?」
『ん〜!今日の白米も良い輝きだ!さすが〇〇』
「いや、機械が作りましたからね?」
昔は可愛く、頬を赤くしてくれたのに、今は全然。
むしろうまくあしらわれて、俺だけ尻尾を振っているようで。
『〇〇、俺のこと好き?』
「好きだよ〜」
昔は好き?って聞くだけで赤くしてた頬も今ではあっさり回答。
『どこが好き?』
「全部って言ったら答えにならないんだっけ?」
また大人の余裕みたいな微笑みをする。
全然、初々しくはないし、むしろ、定例行事みたいな…。
『〇〇、俺のこと、本当に好き?』
「好きじゃなきゃ、新しいマンションに引っ越すまで付き合えないよ?」
お金ももったいなくて出せません。なんて、もっともなことを言われる。
『…でもさ、ほら、昔はすぐ赤くなって、すぐ照れてたじゃん!』
「今も照れてるよ。」
『でも、さ?でも…』
「慧は、赤くならない私のことは好きじゃない?」
俺の前で瞳が揺れる。あ、そうだ。〇〇は泣き虫だった。
『そんなわけ、ない…』
まただ…いつも大切にしたいのに、空回りして結局傷つけてしまう。
「…食べよう、冷めちゃうよ?」
『あ、うん。』
「……慧も、変わったよ…多分。」
『え…?』
へへって笑って、続きをごまかされたけど。
〇〇はきっと何かを感じたように微笑む。
『変わった俺はどう写ってる?〇〇に…』
「寂しさ半分、愛おしさ半分かな?」
〇〇はいつも俺を見ていて、いつも俺のそばにいる。
『俺、慣れちゃったのかな…幸せとか…そういうの?』
「慧が慣れたんじゃなくて、私が大人になったの。」
慧は子供のままだけどね?なんて笑われる。
『俺、20代も後半よ?』
「でも精神年齢高校生くらいだから」
そう言って、微笑んだ〇〇は昔も今も変わらない微笑みで。
言葉にすると嘘みたいに思える事も〇〇の言葉なら
それがきっと確かな真実になっていく。
『〇〇のこと、なんか好きなんだよね…ずっと』
「私もだよ、それでいいんじゃないかな?」
いつもそばにいるってことが大切なんだろうな…
なんて一人納得したように呟いて、ね?って微笑んで
その表情や仕草や1つ1つ、今この瞬間が愛おしく思えるんだ。
…fin