○Tasty U→中島裕翔○

 

**

 

12/16

 

#JUMPで妄想

 

#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)

 

**

 

「裕翔…どうしたの?」

 

ベッドレスが軋む音。近づいた白くて細い指。
少し赤くなったのは血色の問題か寒さなのか。

 

『仕事の連絡…』

 

「ふ〜ん…ねぇ、裕翔?」

 

『ん?ああ…』

 

唇を近づけてくるからなんとなく察した俺はその唇に俺のを重ねる。


〇〇の腕は俺の首に回ってきて、絡まって。
同時に舌も絡められるから、心の中にふつふつと熱い感情。

 

『…もういい?』

 

「……ん。」

 

少し不服そうに、でも受け入れる〇〇の余裕。
少し悔しくなる。

 

"…旦那にはもっと、もっとって求める?"

 

脳裏にそんな事を思ううちは俺はまだ子供なんだと思う。

 

マネージャーからのメール。1通り目を通していても感じる視線。

 

『何?』

 

「ん?ふふ…裕翔ってかっこいいなって、ね?」

 

『今更?』

 

〇〇は今更かもね、なんて微笑む。
そのまま、また唇が近づいて、俺は受け入れる。

 

『…まだやんの?若いね』

 

「旦那は疲れてるって相手してくれないの。」

 

『薮くん?』

 

「…私も薮だけど?」

 

傷ついた顔しないでって言いながら素肌を俺にはりつけてくる。
やっぱりこの状況で〇〇が有利なわけで。

 

「ほぉら…元気になったでしょ?」

 

『……ずりぃよな』

 

「裕翔だってこれが目的でしょ?」

 

本当に好きになったなんて言えないから、俺は黙り込む。
都合良さそうに唇をさらに押し付けてくる〇〇が微笑んだ気がした。

 

『……最低だな』

 

「裕翔も共犯だから」

 

今度は〇〇が傷ついた顔をする。
本当はこんなことしたくないことくらい知ってる。
でも、〇〇から引きずり込んだ不倫関係を今更解消なんて出来ない。

 

「…ねぇ、いいでしょ。」

 

『何が?』

 

「私が誰を一番好きか、なんて」

 

良くなんかない。そう言えたら良かった。
でも、その言葉を言えない俺はまた黙り込んで。


〇〇は俺の表情を見ると苦しそうに笑って、背中を向ける。

 

「今日は帰るね」

 

立ち上がって、下着を着ける。時間を見れば16:00近く。

 

『帰ってくるから?』

 

「…ご飯、作らないと。一応奥さんだから。」

 

『今日も薮くんは帰らないよ。』

 

理由は知ってる。
その穴埋めをする俺の事なんて〇〇は眼中にもないんだろう。

無意識のうちに抱きしめて、その白い肌に赤い跡が残る。

 

『…まだいいでしょ?』

 

好きの代わりに言葉を選ぶ。

 

 

…fin

 

○order→知念侑李○

 

**


11/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)


**

 

「…んっ、」

 

『静かにして。』

 

僕は〇〇と物陰に隠れる。〇〇の頬には涙が流れる。

 

____

 

元はと言えば〇〇が教室の前、立ち止まって動かなくなっていた。声をかけようと近寄ると、中の景色に目を疑った。

 

〇〇の方を見れば、俺と目を合わせて、笑ってくれる。でも、その瞳には、涙が溜まって、溢れそうになる。

 

"あっ…もう、〇〇にバレるよ?"

 

{…大丈夫だよ、何かあったらうまいことやるから}

 

〇〇の親友と涼介。その手を取り合って抱きしめあって。涼介がその子の腰に手を回して、より密着した2人。見つめあって、全てが非現実のように始まる。

 

____ガタッ、

 

〇〇が手にかけていたドアを戻そうとすると大きな音が。咄嗟にこちらを向く2人から庇うように〇〇の腕を引いて隠れる。

 

「…ちね…ん、くん?」

 

『バカなんじゃないの。』

 

涙をこらえて笑おうとする女の子がこんなにも切ないなんて。

 

「…っ……ごめん。」

 

この瞬間も謝る〇〇。この感情、僕は知らない。無意識に抱きしめる。抵抗する事もそんな気力もないようで。

 

『悪いのは〇〇じゃないでしょ』

 

「…でも、侑李君、困ってるでしょ?」

 

こんな時まで一体この子はどこまでお人好しなのだろうか。
少しイライラする気がしなくもない。

 

『あのさ、悪いのは…』

 

「違うよ、涼介は悪くない…みかりんも…」

 

一生懸命、声を震わせてその言葉1つ1つ。
またその言葉のせいで涙が溢れてしまう。

 

『誰も悪くない、それなら誰も。』

 

泣き止む前に、音が聞こえて、きっと教室のドアが開いた。

 

"〇〇来ないね〜、帰る?一緒に。"

 

{ん〜。帰る?}

 

ドアから顔を覗いた2人。誰もいない廊下を見て2人、目を見合わせる。

 

…また無意識に〇〇の腕を引いて、2人の視界に入らないところへ。


2人の会話を聞いて、さらに泣きそうになる〇〇。声が溢れそうになるその口を抑えると、〇〇の吐息が僕の手に。

 

『…〇〇。こっち向ける?』

 

涙で目を真っ赤にして、僕を見つめる〇〇に一生懸命、笑う僕。とりあえず、誰かの笑顔で安心してもらいたくて。その細くて白い指が伸びてきて、僕の頬をつつく。

 

「…ふふ、ぎこちない」

 

『なっ…誰のために…』

 

〇〇はまた僕の胸の中に収まるように、抱きついてくる。

 

「ありがとう。元気でたよ、知念君、ありがとう。」

 

『…別に何も…、』

 

何も無いよ。〇〇のためじゃない。どちらかといえば涼介のため。

涼介の彼女が傷ついてるから助けるのは涼介の親友でもある僕でしょ?


…そう思わせてほしい。

 

涼介が離しかけたその手に僕は触れる。
ばちんとぶつかった視線、揺れる瞳の先には僕が写っていて。

 

『ねぇ…僕のこと、好きになりなよ』

 

こういうことはタイミングが大切だと思う。
涼介に心の中でお詫びしながら、この恋心を知る。

 

…fin

○SUPERMAN→中島裕翔○

 

**


10/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)


**

 

愛しい人の声は、どんな時まで瞬間的に聞こえる。近くにいなかったとしても。

 

"…疲れたかも"

 

心の中に急にぽつりと浮かんだ言葉。
大丈夫かな?そんな気持ちになるのはいつも〇〇に何かあった時。

 

{裕翔?どうした?}

 

『あっ…なんでもない。』

 

なんだよって笑う光君。
俺はなるべく平静を装う。

 

『今日って何時までだっけ?』

 

{予定では終わってるはずだけど…押してるな。}

 

時計を見た光君が少し眉を下げる。

新曲のPV撮影だし、早く終わることはないと思っている。でもそんな時に限ってこういう勘が働く。

 

{でも次の通しで最後だから。予定?}

 

『いや、何も無いけど…』

 

それ以上は何も言えなくて、そんなところに薮君が来る。光君を連れてどこか行ったから俺は携帯を取り出す。

 

"今日、家寄ってく。"

 

その連絡だけを入れて俺はまた撮影に戻る。
何かあったとしても、耐えて欲しい。そう願いを込めて。

 

____

 

{お疲れ〜}

 

終わりの合図に俺は少しの焦りが生まれる。
今からは〇〇だけを、思って、考えていい時間。

打ち上げどうする?って山ちゃんが言い出す。
皆は行くって言うし、雰囲気としては断れない。

 

{裕翔、体調悪いのはどうした?}

 

『え…そんなこと、』

 

光君が急にそんな事を言い出して、周りにも心配される。

 

『大丈夫だか{明日も撮影あるんだし、裕翔は帰りな?}

 

残念…ってメンバーは口を揃えて言ってくれる。俺は全然意味が分からないけど、でも光君が近寄ってきて。

 

{何かは知らないけど、何かあるんだろ?行けよ。}

 

俺にだけ耳打ちしたらメンバーをまとめて店の案を出し始める光君。
その背中を見つめていて、優しさに気づく。

 

『皆、ごめん…お疲れ!』

 

現場を飛びだす、息が切れて苦しくなるほどに走る。〇〇の家について鍵を開ける。電気はついてなくて、部屋に入る。ぱちっと電気をつけるとソファに丸まるように座る〇〇の姿。

 

『寒いでしょ…風邪ひくよ。』

 

「もう、ばか…遅い。」

 

俺を見つけた〇〇。近づいた俺にしがみつくように抱きついてくる。その瞬間、何かがぷつりと切れたように泣き出す〇〇。
でも、俺の胸の中で泣いてくれることに安堵する。

 

「なんで気づくの、」

 

『テレパシーってやつ?かも。』

 

「…そういうとこ、だよ。本当に。」

 

怒っているのか怒っていないのか分からないけど、泣きながらも強がる〇〇を俺は抱きしめるだけ。

 

『……俺を頼っていいんだよ、いつでも助けに行くから。』

 

「うん。でも、私が言わなくても気づいてくれるでしょ?」

 

〇〇が俺から体を離して、唇を重ねる。
離れると恥ずかしそうに笑う〇〇。その目元の涙を丁寧に拭う。

 

微笑んだ〇〇から今度は話を聞く時間。
その後は、その心の傷を癒す時間。

 

…fin

○Eternal→岡本圭人○

 

**
9/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)


**

 

『あっ…だめだよ。』

 

今握るこの手は弱くて、でも誰よりも意志のある手だって知っている。
しっかりしてるけど、どこか抜けていて、今の車道側に転びそうになる。

 

「へへ…年取るとだめだな…」

 

『俺たち、同い年だからね?』

 

「うん…知ってる。」

 

『疲れてるんでしょ…今日は帰ろう。』

 

いつも無理させてしまうから、だから…先に気づいてあげたい。
そう思うのは悪い事じゃないはずなのに、〇〇はいつもごめんねって。
そう呟くからどうして謝るの?って言いたくなる。俺はいつも〇〇の事を1番に思っていたいだけなのに。

 

「…圭人は優しいね。」

 

『そうかな?好き嫌いするよ。』

 

「でも私が作ったものは全部食べてくれるじゃない?」

 

『〇〇が作ってくれたんだから。』

 

「わざと毎回、圭人の苦手なもの、入れてるよ?」

 

〇〇が俺の方を、申し訳なさそうに見る。

 

『それでも〇〇が作ったものは美味しい。』

 

「…優しすぎるよ。」

 

そうは言いながら俺の肩に頭をのせる。
幸せの重みってやつが余計心拍数をあげる。

 

『歩けないよ、』

 

「少しくらいよろけても、圭人が守って。」

 

絡められた指、腕もぎゅっと。この小さなお姫様はいつも。

 

『〇〇、ちゃんと歩いて。』

 

「…うん、歩いてる。」

 

『2人して転んじゃうよ?』

 

嫌じゃないけど、本当は嬉しいけど、安全第一だし…俺の困り顔はきっと、いろいろな意味で〇〇を怒らせる。そう思い出した時には遅くて、〇〇の顔を見るとどんどん曇る。

 

「圭人は優しすぎるの。ずっと言ってるでしょ。」

 

『ごめん…』

 

「たまにはね、2人で転んでもいいんだよ。一緒に。」

 

その手にさらに力がこもって、俺達はバランスを崩す。〇〇のことを抱きかかえるように俺たちは倒れ込む。

 

『大丈夫?怪我してない?』

 

「してても圭人でしょ?」

 

〇〇が俺のおでこにキスをするから、転んだ痛みなんてどこへでも。
きっと俺の頬は真っ赤になってて、〇〇は嬉しそうに微笑む。

 

「一緒に転んだら、一緒に立ち上がるの。」

 

『うん?』

 

「そうしたら、また一緒に歩き出せるでしょ?」

 

ほらって立ち上がった〇〇が俺に手を差し伸べる。俺も立ち上がるとすたすたと歩き出す〇〇。

 

『〇〇、本当に怪我してない?』

 

「だからっ!転んだ日の方が記憶に残るでしょ?思い出した時。」

 

まだ意味を理解していない俺に痺れを切らした〇〇。ばかっ!ってデコピンされて。

 

「深く考えないで、いつか感じてよ。」

 

ね?って首を傾けたあと、微笑む〇〇はいつもの優しすぎる〇〇だった。

 

…fin

○Dear.→髙木雄也○

 

**
8/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

 

(DEAR.初回限定盤1)


**

 

「雄也。ちょっとだけ待っててね。」

 

久しぶりに〇〇の家にやってきた。


急にやってきたのも悪いけど、食材を買い足してくるって慌てて家を飛び出た〇〇の背中を追いかけるように見る。

 

リビングにはいくつか写真立てが置いてある。
ほとんどは友だちとの写真。友だち本当に多いんだなって勝手に感心。
その中の1つに俺との写真もある。

 

"大切な人に今、どんな言葉を送りたいですか?"

 

新曲の発売で、恋愛系の曲だからそういう質問も来ると心構えていた。
でも、いざ聞かれると、〇〇の笑顔しか思い浮かばなくて。

 

"…笑顔をくれてありがとうですかね。"

 

"優しい表情されてますね、髙木さん。"

 

"まあ、ライブとかファンと関わる事が多かったので。"

 

そう言うと、ファンの方も喜びますよって言われる。きっとそうなんだろうとは思う。ファンのおかげでここにいる。でも、いつも1番に思うのは〇〇のこと。

 

「ただいま〜雄也?あっ…もうやめてよ〜見ないで。(笑)」

 

『これってさ、初デートの時の?』

 

「そういうところ、本当に優しいよね、雄也。」

 

キッチンに立った〇〇が俺に問いかけながら微笑む。その姿に近づきたくて、俺は後ろに回る。

 

「…怪我しちゃうよ?」

 

『気をつけて料理して。』

 

「今日は構ってなの?」

 

俺の腕に当たる〇〇の吐息がその笑みを想像させる。首元に顔を埋めて、〇〇の匂いを吸い込む。

 

「…最近、会えなかったから。」

 

『うん?』

 

「寂しかったなって…思ってたの。」

 

でも来てくれて良かったってその言葉に俺まで癒される。力を込めるってのも変だけど、何も言わずにいるよりはいい。

 

『俺も会いたかった。いつも会いたくなるのは〇〇だから。』

 

なんでだろう、会えただけで、こうやって抱きしめてるだけで。涙が溢れている。俺の手に乗るのは〇〇の涙。もしくは…

 

「…雄也までなんで泣くの?」

 

『幸せだなって、今。ごめんな。』

 

「私もだよ、会いに来てくれてありがとう。」

 

その涙を拭う。くすぐったいって笑う〇〇をまた抱きしめ直す。

 

『…ずっと笑っていこう。』

 

「……うん。ずっと笑わせてよ?」

 

幸せにしてくれなかったら罰ゲームかな?って。そういうこと言って、誤魔化そうとする〇〇が少しもどかしい。

 

『明日、これから…笑っても泣いても…共有していたい。』

 

「うん。私も。いろいろなこと、ずっと。」

 

『たとえ離れても…そばにいるから。仕事とかで会えない時もあるけど』

 

「でも雄也の夢は叶えて欲しい。」

 

『じゃあ…〇〇も、〇〇の夢も、叶えよう。』

 

一つ目は?って聞くと、笑いながら返してくれて、俺も返して。〇〇が俺の方を振り向いて、また抱きついてくるから受け止める。

 

「それだけ?叶えたい夢。」

 

『いや…まだあるよ。まだまだ…たくさん。』

 

言えてない想いも、希望もまだある。

…My dear、君に。
この指輪をいつになったら渡そうか。

 

 …fin

○Special Love→中島裕翔○

 

**


7/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)


**

『はぁ……』

 

肩で息をしながら、俺は信号を待つ。どれだけ走ったことか。


いつも笑顔を絶やさない〇〇から、弱気なLINE。待っててって送ってから何分くらい経ったのだろうか。

 

「裕翔?どうしたの?」

 

いつもの場所、そう伝えて出た俺を待っていたのはいつも通りの〇〇。

 

『いや、ほら…これ、』

 

「あっ…うん。なんかごめんね?」

 

もう平気って笑う〇〇。女子の平気とか大丈夫って本当は…母親からそう聞いたことがある。
抱き寄せて、おでこにキスをする。

 

「…裕翔?」

 

『……ん〜?なんかさ?』

 

とりあえずご飯行こうか?ってその小さな手を握る。〇〇はあとを引くような笑顔を見せる。


その表情を見逃さない、それが俺のできること。少しだけ、いつもより気持ちを込めて手を握る。

 

『何食べたい?今日はなんでも〇〇が食べたいものをね。』


「じゃあ…ラーメン。」

 

『…女子っぽさ0だね。』

 

「なんでもいいって言ったよね?」

 

いいじゃんって〇〇は笑う。こういう笑顔、俺は好き。そういう事、一つ一つ伝えてしまう俺だけど、今日は引き留めよう。

 

『とんこつ?』

 

「うん。あそこがいいね。」

 

いつも行くラーメン屋さん。2人で知っている道を歩く。

 

『俺、いつも〇〇に元気貰ってるな。』

 

「私もだよ。お互い様。」

 

元気がない時に、かける言葉はいつも思いつかない。


無理して何も言わない〇〇に対しては特に。
だからこそ、そばにいていつも通り、いつも通り。

 

『ほい、どうぞ。』

 

のれんを2人でくぐって、注文。
割り箸を渡して、2人で割る。

 

「ん〜…美味しい!これは間違いないね。」

 

『美味しいよね。本当にいつもいつも…ありがとうございます!』

 

お店の人に手を合わせる〇〇。お店の人も笑顔で返してくれる。
〇〇は愛される力がある。そう改めて思う。

 

『…じゃあ行きますか?』

 

「うん。ごちそうさま。」

 

いつもその笑顔に俺は癒されて、また抱きしめる。頭を撫でると、んんって声がする。

 

『ねえ、今日は元気なかった?』

 

「…うん、ちょっとね。」

 

『…元気出た?』

 

「うん。出たよ。」

 

体が離れるとありがとうって笑顔を向けてくれる。その笑顔に騙されるように唇を重ねる。

 

「…甘い。今日の裕翔、甘い。」

 

そう言いながら俺と手を繋いで歩き出す〇〇。

 

『また何かあったら、すぐに弱音吐いてよ。じゃなくても気づく。』

 

じゃあ連絡する必要ないじゃんって笑うけど、でも欲しいよ。
どんな時だって、好きな子からの連絡は1つの特別な愛なんだから。

 

…fin

○キミアトラクション→八乙女光○

 

**


6/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(初回限定盤1)


**

 

仲の良い〇〇と久しぶりに出掛けようって話になった。普通に友達、そんな感覚で来たのに、待ち合わせ場所にいた〇〇。


心がぎゅっと握りしめられているみたいな、そんな感覚。それから変だ。ずっとずっと変だ。

 

「光?どうしたの?」

 

『ん。なんでもないよ。どこ行く?このあと。』

 

「どうしようか?何か食べる?」

 

学校にいる時の制服姿とか、よく聞く音楽とか。そういうもの全てをベースに予想していた〇〇と今の〇〇。

 

「光?さっきから考え事?」

 

『いや…大丈夫。』

 

もうって膨れっ面するその頬が少し赤くなる。

 

『私服、初めてだよな、見るの。』

 

「ああ…たしかに。光、ダサいっていのちゃん言ってたけどな〜」

 

今日は珍しく姉が選んでくれたからダサいはずがない。そんな事は黙って〇〇の事をちらっと見る。

 

普段は制服にパーカー。その上にブレザー、リュック。そんな感じの〇〇。今日はピンクのニットにワインレッドのスカート。いつもはストレートで下ろしてる髪の毛も今日は1つにまとめていて。

 

〇〇のはずなのに、〇〇じゃない感じ。
変に緊張するし、ドキドキする。
こいつ、こんなにかわいかったっけ?とか、いろいろ思う。

 

「ねぇ…今日の光おかしいよ?」

 

『…どこが?』

 

「なんか…おどおど…?避けてる?」

 

『そんなこと…っ、』

 

下から覗きこまれる。
あ…良い匂いする。って、何考えてんだよ、でもこの角度…やばいよな。
なんて頭の中では色々な感情がジェットコースターみたいに駆け巡る。

 

「…帰る?なんか乗り気じゃないみたいだし。」

 

『……まだいよう。帰したくない。』 

 

「ひか…る…?」

 

体が勝手に動いて、抱きしめてた。
さっき感じた匂いがより一層近くなる。

 

『今日の〇〇、なんか可愛い。』

 

「…いつも可愛くないみたいな言い方。」

 

『そうじゃ…ないけど。』

 

「…けど、っていい感じしない」

 

はっきり言ってよって〇〇が俺を離す。
〇〇に見つめあげられるの、やっぱり弱い。

 

『…好きって思わせたんだ。自覚しろ。』

 

「なんで上からなのよ。」

 

『そうは言うくせに、顔赤いよ。』

 

「……誰のせい。」

 

俺のせいで…俺の言葉で頬を赤くする〇〇が可愛い。俺、こんなキャラだったっけ?とか考えても、目の前の君がそんなことどうでもいいかって思わせてくれる。

 

『…ずっと好きだったのかも』

 

「かも?」

 

また少し怒ったような〇〇。おでこにキスをする。ほら、口をぱくぱくさせて慌てふためく君に。

 

『自覚したのが今日だったってこと。』 

 

「…遅い。って、遊んだ子にそうやって言ってるの?」

 

俺から1歩離れようとした〇〇をまた抱きしめる。きつく。 

 

『やっぱり、〇〇が一番。』

 

好きの自覚は恐ろしい。

 

…fin