○かもしれない→伊野尾慧○

 


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#JUMPで妄想


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フォロワーさま400人突破記念企画


(りぃちゃんリクエスト)


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Very Thanks!!!


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教室に入って、真っ直ぐ自分の席につけることほど難しいことはない。


『〇〇〜おはよっ。』


「おはようございます。」


ぺこりと頭を下げて、その場を通り過ぎようとしたのに、
進みたい道を塞いでしまう伊野尾君。相変わらずニコニコしてる。


『今日はポニーテールなんだね。似合ってるよ。』


「…昨日も同じ事、言ってました」


『だって毎日〇〇、可愛いし、言いたくなるんだよね。』


好きな子だからだよ?なんてマッシュルームがペラペラと話しても
何の説得力もなくて、私は途方に暮れる。


「私、どちらかというと光君みたいな誠実な人が好きなの。」


口からでまかせだけど、とりあえず伊野尾君をどうにか、どうにか…
なんて一生懸命考えて、たどり着いた光君で撃退案。

そんな時にタイミング悪く、光君がやってくる。


『げ…なんでいるの。』


{は?俺もこのクラスの生徒だよ。}


〇〇、おはようって流石な爽やかな笑顔で挨拶する光君を睨みつける


伊野尾君。相変わらずこの2人は仲悪い(?)みたいで。


{〇〇、毎日ご苦労さま(笑)}


「ありがとうございます…」


『いやいや!2人ともおかしいでしょ!』


こんなに俺に惚れられる嬉しさは?なんて語る伊野尾君を暑苦しそうに
押し返す光君を見て、おかしくて笑ってしまう。


『…〇〇はさ、本当に見る目ないよな〜』


「いやいやいや…伊野尾君には言われたくないです」


『え?俺、見る目あるよな?光。』


{うん。}


その光君の言葉が発せられてから、どうしたことか私は伊野尾君に
抱きしめられて、どうしたことか頭の中はぐっちゃぐちゃで。


『…なんで光に言われると顔赤くするわけ。』


「……してないよ」


『その顔、誰にも見せたくないんだけど。』


ひそひそと私の耳にだけ届く音量で、嫉妬のこもった声。
身体を離されたところで、抱きしめられたせいで頬は嫌なくらい真っ赤。


『光、1限、俺と〇〇、保健室ね。』


私に拒否権なんてなくて、引っ張られるがまま校舎を進んでいく。


『…光のこと、本当に好きなの?』


「あれは、不可抗力で…普段あんなこと、光君、言わないから。」


『……俺であんなに赤くならないじゃん。』


「伊野尾君は言い過ぎなんです!」


最初は優しかったお互いの口調も言葉が重なる度に、強くなる。


『じゃあ、〇〇には2度と好きなんて言わない!』


「…言わなくてもいいよ。」


本当は寂しい…なんて言えなくて。下唇を噛んで俯く。


『…そんな顔しないでよ。悪いこと言った気分。』


期待させないでよって、また私は伊野尾君に抱きしめられる。
私の頭を優しく撫でる伊野尾君の手。


『…好きだよ。本当に。こんなにしつこいくらい好きなのにさ』


気持ち悪い?なんて耳元で笑うから私まで擽ったくて笑ってしまう。


『笑うなよ〜…でもさ、本当に本気で好きなんだよ?』


伊野尾君のこと、好きかもしれない。
…って思ってる事はまだ言わないでおこう。


…fin