○with→髙木雄也○

 

 

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#JUMPで妄想


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フォロワーさま400人突破記念企画


(穂真さんリクエスト)


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Very Thanks!!!


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波音はまだ寒い冬を感じさせるものになっている。


『…なんで来たかったの?』


寒いの嫌いなくせにって私の手元には有名なコーヒーブランドの
ロゴが入った紙のカップが渡される。


「ありがとう」


1口飲むと、甘くて、でもミルクと合わさった紅茶が体を温める。


『〇〇、海嫌いだよね?』


ついでにコーヒーもって、おそらく雄也の手にあるカップの中身は
ブラックのコーヒーなんだろうと、勝手に思う。


「うん。」


『意味わからないところ、変わらないね』


「見るのは好きなの、人のいない海。」


『へぇ…』


「それに、いつも雄也、1人で来るから…たまには」


私がそう言えば隣で私をちらっと見ている感じが。
恥ずかしくて、もう1度カップを口に。


『俺、寂しいと思ってた?』


「寂しがり屋ではあるでしょ?」


雄也はふっと笑って肯定も否定もしない。


また風が吹く頃には私の肌はその冷たさにも慣れてきて
靴を脱いだ私はゆっくりと立ち上がる。


『おい、風邪引くぞ』


「いいじゃん、少しくらい」


『〇〇…』


雄也の止める声は聞こえないふりして1歩ずつ海の方へと歩く。


「…冷たっ!」


『言ったろ…ほら。』


雄也が私の腕を引いて、胸の中に収める。


『震えてんじゃん…』


「寒い、から…」


『当たり前だろ、』


そのままぐるっと世界が変わって、空中に体が浮かぶ。


「おろして…」


『その足で歩いたら、痛いぞ?』


車の中に下ろすと、用意されていたタオルで私の足を拭いてくれる。
少し冷たいその視線にも優しさを感じるのは長い付き合いのせいか。


『はい、靴は自分で履けよ』


「うん…」


助手席のカップコースターには私のミルクティー。


「ねぇ…雄也?」


『また連れてきてやるよ。』


「ん…」


言いたかったことは先を見越して言われてしまう。
走り出した車の中は無言だけど、気まずいわけではない。


「…今日気づいたけど、雄也、運転うまいね」


『今さらかよ(笑)』


優しく微笑んだ雄也の横顔を見て、私も少し頬が緩む。


『…家着くまで寝てもいいよ』


「うん、言われなくても」


最後に一口、そう思って飲んだミルクティーの味は
異様に甘くて、その甘さに飲み込まれないように私は
重い瞼をゆっくりと閉じてみた。

 

…fin