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○揺れる→伊野尾慧○

 


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#JUMPで妄想


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フォロワーさま400人突破記念企画


(ぼんちゃんリクエスト)


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Very Thanks!!!


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「あの…今日もまたなんでしょうか?」


『またって、ひどくない?』


伊野尾先輩が食堂で私を見つけるなり、前のイスに着席。
周りに座っていた女の子たちもいらない空気を読んで席を離れていく。


『今日も可愛いな〜って思ったから、近づいちゃった。』


でも、近づくだけど寂しいから声もかけちゃった、なんて
女の子でも言わないようなセリフをすらすらと頬杖つきながら。


『今日の放課後は空いてる?』


「部活が、『その後は?』


「空いてます…」


『一緒に帰ろ!待ってるから。』


じゃあね、って顔の横で手をフリフリするその姿はほとんど女子
なんじゃないかと思うほど可愛くて、
でも、本当に信じられないくらい人気の先輩だから、
私のこと…本気なわけないってそう思う毎日が今日も含めて続いていた。


____

 

『あ、お疲れ〜』


「先輩…本当に待ってくださったんですか?」


『勉強してたから。それに〇〇の少し疲れた顔も見たかった。』


可愛いなって語尾にハートがつきそうなセリフを聞かないふりして
私は伊野尾先輩の横を通り過ぎるように歩く。


『〇〇、何か食べたかったりする?』


「大丈夫です!」


『え〜…俺はお腹すいたよ』


〇〇の事、待ってたらお腹空いちゃったって半ば強引に
全国的にも有名なドーナツ屋さんに連れ込まれる。


『〇〇は何食べる?』


「本当に大丈夫ですから…」


いつもご馳走してくれる伊野尾先輩に引け目を感じるのも当然だと思う。


私の高校はアルバイトOKで、伊野尾先輩もどこかは詳しく聞いたこと
ないけど、アルバイトしている事は知っていて。
せっかく働いたお金を私に使うなんて申し訳なさ過ぎて。


不自然に3つトレーに乗せられたドーナツと2つのマグカップにため息を
こぼしながら伊野尾先輩の後をついていく。


『はい、ミルクティーでしょ?』


「あのお金は本当に…」


『いーの、俺が一緒にいたいだけだから。』


そう言って、ドーナツを1つ私に渡した伊野尾先輩が
嬉しそうに微笑むと、やっぱり素直に従ってしまう。


それから大したことは話してないけど、時間は確実に過ぎて。


『そろそろ帰らないとね、心配させちゃうから』


こんな可愛い子、育てる親御さんは大変だって大げさな顔をする
伊野尾先輩が食器たちを片付けていく。
お店を出て、やっぱり相変わらずいつも通りの伊野尾先輩と帰路を歩く。


あと少しで家に着く時、伊野尾先輩がくるっと振り返る。


『やっぱり〇〇の事好きみたいだよ、俺。』


「そんな…あの、からかわないでください…」


『からかってないよ。〇〇可愛いし、俺は好きだよ』


「そういうのが…っ、伊野尾先輩は真剣さがないんですっ!」


好き、とか言われる事に慣れていないから、今日1日も私には大変で。
その思いを返す方法も分からないし、いろいろなことを無駄に
頭の中で考えている間にも伊野尾先輩は私に1歩近づく。


『君のこと本気なんだけど』


その言葉の先で、伊野尾先輩は優しく、揺れるように微笑む。

 


…fin