○King→薮宏太○

 


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#JUMPで妄想


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フォロワーさま400人突破記念企画


(やぶちいさんリクエスト)


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Very Thanks!!!


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「…宏太君?あ!宏太君!」


『……ちっ…』


「え?今、舌打ちしたよね?したよね?」


朝の図書室、いつも薮君しかいない準備室。
図書委員という特権を利用して私も準備室に入る。


「宏太君、好き〜」


『……だりぃ』


「ふふ…なんでもいいよ〜」


『重いな、…お前、太ったろ?』


肩を寄りかからせれば、そんな冷たい言葉。
そのくせ、私の右手は宏太の左手に握られる。
いわば恋人繋ってやつで。


「…手、冷たいね?」


だから何、と言わんばかりの冷たい視線。
その視線もすぐに外されて、もう、私のことなんて見てもくれない。


『……お前、授業あるだろ?』


「いいかな〜って…宏太、しばらくここいるでしょ?」


『成績落とすぞ?』


「生憎、そんなに馬鹿ではありません。」


『生意気か。』


そうは言われるけど繋がれた手を離されることはない。
少しの日差しと、準備室に付けられた暖房と、宏太君に会うための早起き
が私を眠りに誘う。


『…おい、寝るな』


「んん…」


『聞いてんのか?』


そんな宏太君の声は淡く弾けているようで、眠りに吸い込まれて…


『聞けって…』


急に息ができなくなって、口を開けると割って入ってくるもの。
繋がれていない方の手が私の頬に触れて、目を開けると
薄らと開いていた宏太君の目と視線が重なって。


重なると同時に下唇が噛まれるような痛み。


『開けんなよ…襲ってやってんだから、』


「…んっ、……」


慌てて目を閉じると、ふっ…って笑った声が聞こえる。


『本当に襲われたいの?』


「いやっ…その…」


恥ずかしい…頬が赤くなって、顔を逸らしたいけど
でも頬に添えられてるはずの手がそんな弱い力ではなくて。


『…アホなの、?』


「……うん。」


頷いて、ちらっとら見上げれば微笑んだ…ように見えたけど
また冷たいその視線に戻るから、そのギャップで胸がきゅんって。


『目、見開きすぎ…ブスがもっとブスになったぞ』


「なっ…ブスだから…もともと。」


また下を向いたら、顎を今度は持ち上げられる。


『そのブスな顔、他のやつに見せんじゃねーぞ。』


「へっ…え…」


また黙らせるみたいに重なった唇が私の呼吸とか全てを
この場所に置き去りにしてしまうようで。


『今日、授業サボるわ…〇〇は?』


「え!宏太君に着いてく!え!名前!」


うるさいって冷たい声とは反対的に、手は握られたまま。

 

…fin