○スローモーション→岡本圭人○
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#JUMPで妄想
#Album_m_m
(DEAR.初回限定盤1)
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風が吹き抜けると、スカートがふわりと舞う。
急に立ち止まった〇〇が俺の方を振り向く。
「…今、見た?」
『見えてないよ、白い…』
「もう、嘘つくならうまくついてっ!」
〇〇が頬を真っ赤にして俺のお腹にパンチ。
照れ隠しの弱いヤツが可愛くて、愛しくて、変に心苦しい。
「そんなんだから、彼女、できないの!」
『そういう事じゃ…』
「そういう事!わかった?」
もうってぷりぷりしてる〇〇。でも、本当にそういう事じゃない。
圭人にパンツ見られた〜なんて周りに顔なじみのご近所さんがいるのに
若干苦痛のような思いが混じった声でぶつぶつ言う〇〇。
『ねぇ、見てるよ、』
「何?」
『誤解生まれる言い方してるから』
「圭人が見たのは事実でしょ?」
何も言い返せなくて、俺は困った顔をしてしまう。
きっといつもの事なんだけど。
「本当に、早く紹介しなさい、彼女くらい。ね?」
そんな俺にはお構いなく俺の恋路を心配する〇〇。
好きだと言うチャンスを逃し続けた今のこの関係は周りからは
どう思われているのだろうといつものように思う。
「でも、いつも、私に彼氏作れとか、言わないよね、圭人」
好きな人にそんな事、言いたくない。なんて、言えないなぁ。
そう思いながら俺は頷いて、〇〇は微笑んで。
それ以上何も言ってこないから少しぎこちない気がする。
「もしかして、私の事好き?」
『えっ、気づいてたの?』
「だって、私、圭人の事、大好きだもん。」
その言葉を聞いた途端、俺は慌てて指を鳴らす。
〇〇の微笑みがぐんっと歪んで、俺の体は後ろに倒れる感覚。
そのまま黒い闇に飲み込まれて、俺は目を閉じた。
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「…今、見た?」
『見えてないよ、白…』
「もう、嘘つくならうまくついてっ!」
さっきと同じ道をさっきと同じ会話で歩く。
時計の時刻も3分巻き戻っている。
「…圭人?聞いてるの?!」
『あ、うん。ごめん。』
「ほら、また聞いてない。」
圭人はダメだな〜なんて、口癖のように言う〇〇。
ここからパラレルワールドがまた生まれてしまった。
そんな後悔はすっ飛ばして、早く言わなければ、そう思うのは頭の中。
「だから、彼女できないんだよ。女の子の話、ちゃんと聞かないと。」
『俺、〇〇の事が好きだから…だから〇〇にだけ優しくしたいんだ』
「…急にどうしちゃったの?」
微笑んだ〇〇が俺の方を振り向いて、ニコニコ笑う。
好きって言葉はやっぱり返ってこないのだけど。
『あれ…また失敗しちゃったかな?』
「またって…何の話?」
ふふって微笑む〇〇と焦る俺と。
何度目の告白も〇〇にはうまく伝わらない。
今だって確信のタイミングは1度しか訪れない。2度目はない。
そんな事にもまだ気付かず、〇〇の隣で指を鳴らして今日をやり直す。
…fin