○order→知念侑李○
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#JUMPで妄想
#Album_m_m
(DEAR.初回限定盤1)
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「…んっ、」
『静かにして。』
僕は〇〇と物陰に隠れる。〇〇の頬には涙が流れる。
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元はと言えば〇〇が教室の前、立ち止まって動かなくなっていた。声をかけようと近寄ると、中の景色に目を疑った。
〇〇の方を見れば、俺と目を合わせて、笑ってくれる。でも、その瞳には、涙が溜まって、溢れそうになる。
"あっ…もう、〇〇にバレるよ?"
{…大丈夫だよ、何かあったらうまいことやるから}
〇〇の親友と涼介。その手を取り合って抱きしめあって。涼介がその子の腰に手を回して、より密着した2人。見つめあって、全てが非現実のように始まる。
____ガタッ、
〇〇が手にかけていたドアを戻そうとすると大きな音が。咄嗟にこちらを向く2人から庇うように〇〇の腕を引いて隠れる。
「…ちね…ん、くん?」
『バカなんじゃないの。』
涙をこらえて笑おうとする女の子がこんなにも切ないなんて。
「…っ……ごめん。」
この瞬間も謝る〇〇。この感情、僕は知らない。無意識に抱きしめる。抵抗する事もそんな気力もないようで。
『悪いのは〇〇じゃないでしょ』
「…でも、侑李君、困ってるでしょ?」
こんな時まで一体この子はどこまでお人好しなのだろうか。
少しイライラする気がしなくもない。
『あのさ、悪いのは…』
「違うよ、涼介は悪くない…みかりんも…」
一生懸命、声を震わせてその言葉1つ1つ。
またその言葉のせいで涙が溢れてしまう。
『誰も悪くない、それなら誰も。』
泣き止む前に、音が聞こえて、きっと教室のドアが開いた。
"〇〇来ないね〜、帰る?一緒に。"
{ん〜。帰る?}
ドアから顔を覗いた2人。誰もいない廊下を見て2人、目を見合わせる。
…また無意識に〇〇の腕を引いて、2人の視界に入らないところへ。
2人の会話を聞いて、さらに泣きそうになる〇〇。声が溢れそうになるその口を抑えると、〇〇の吐息が僕の手に。
『…〇〇。こっち向ける?』
涙で目を真っ赤にして、僕を見つめる〇〇に一生懸命、笑う僕。とりあえず、誰かの笑顔で安心してもらいたくて。その細くて白い指が伸びてきて、僕の頬をつつく。
「…ふふ、ぎこちない」
『なっ…誰のために…』
〇〇はまた僕の胸の中に収まるように、抱きついてくる。
「ありがとう。元気でたよ、知念君、ありがとう。」
『…別に何も…、』
何も無いよ。〇〇のためじゃない。どちらかといえば涼介のため。
涼介の彼女が傷ついてるから助けるのは涼介の親友でもある僕でしょ?
…そう思わせてほしい。
涼介が離しかけたその手に僕は触れる。
ばちんとぶつかった視線、揺れる瞳の先には僕が写っていて。
『ねぇ…僕のこと、好きになりなよ』
こういうことはタイミングが大切だと思う。
涼介に心の中でお詫びしながら、この恋心を知る。
…fin