○Eternal→岡本圭人○

 

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9/16


#JUMPで妄想


#Album_m_m

 

(DEAR.初回限定盤1)


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『あっ…だめだよ。』

 

今握るこの手は弱くて、でも誰よりも意志のある手だって知っている。
しっかりしてるけど、どこか抜けていて、今の車道側に転びそうになる。

 

「へへ…年取るとだめだな…」

 

『俺たち、同い年だからね?』

 

「うん…知ってる。」

 

『疲れてるんでしょ…今日は帰ろう。』

 

いつも無理させてしまうから、だから…先に気づいてあげたい。
そう思うのは悪い事じゃないはずなのに、〇〇はいつもごめんねって。
そう呟くからどうして謝るの?って言いたくなる。俺はいつも〇〇の事を1番に思っていたいだけなのに。

 

「…圭人は優しいね。」

 

『そうかな?好き嫌いするよ。』

 

「でも私が作ったものは全部食べてくれるじゃない?」

 

『〇〇が作ってくれたんだから。』

 

「わざと毎回、圭人の苦手なもの、入れてるよ?」

 

〇〇が俺の方を、申し訳なさそうに見る。

 

『それでも〇〇が作ったものは美味しい。』

 

「…優しすぎるよ。」

 

そうは言いながら俺の肩に頭をのせる。
幸せの重みってやつが余計心拍数をあげる。

 

『歩けないよ、』

 

「少しくらいよろけても、圭人が守って。」

 

絡められた指、腕もぎゅっと。この小さなお姫様はいつも。

 

『〇〇、ちゃんと歩いて。』

 

「…うん、歩いてる。」

 

『2人して転んじゃうよ?』

 

嫌じゃないけど、本当は嬉しいけど、安全第一だし…俺の困り顔はきっと、いろいろな意味で〇〇を怒らせる。そう思い出した時には遅くて、〇〇の顔を見るとどんどん曇る。

 

「圭人は優しすぎるの。ずっと言ってるでしょ。」

 

『ごめん…』

 

「たまにはね、2人で転んでもいいんだよ。一緒に。」

 

その手にさらに力がこもって、俺達はバランスを崩す。〇〇のことを抱きかかえるように俺たちは倒れ込む。

 

『大丈夫?怪我してない?』

 

「してても圭人でしょ?」

 

〇〇が俺のおでこにキスをするから、転んだ痛みなんてどこへでも。
きっと俺の頬は真っ赤になってて、〇〇は嬉しそうに微笑む。

 

「一緒に転んだら、一緒に立ち上がるの。」

 

『うん?』

 

「そうしたら、また一緒に歩き出せるでしょ?」

 

ほらって立ち上がった〇〇が俺に手を差し伸べる。俺も立ち上がるとすたすたと歩き出す〇〇。

 

『〇〇、本当に怪我してない?』

 

「だからっ!転んだ日の方が記憶に残るでしょ?思い出した時。」

 

まだ意味を理解していない俺に痺れを切らした〇〇。ばかっ!ってデコピンされて。

 

「深く考えないで、いつか感じてよ。」

 

ね?って首を傾けたあと、微笑む〇〇はいつもの優しすぎる〇〇だった。

 

…fin