○Special Love→中島裕翔○
**
7/16
#JUMPで妄想
#Album_m_m
(DEAR.初回限定盤1)
**
『はぁ……』
肩で息をしながら、俺は信号を待つ。どれだけ走ったことか。
いつも笑顔を絶やさない〇〇から、弱気なLINE。待っててって送ってから何分くらい経ったのだろうか。
「裕翔?どうしたの?」
いつもの場所、そう伝えて出た俺を待っていたのはいつも通りの〇〇。
『いや、ほら…これ、』
「あっ…うん。なんかごめんね?」
もう平気って笑う〇〇。女子の平気とか大丈夫って本当は…母親からそう聞いたことがある。
抱き寄せて、おでこにキスをする。
「…裕翔?」
『……ん〜?なんかさ?』
とりあえずご飯行こうか?ってその小さな手を握る。〇〇はあとを引くような笑顔を見せる。
その表情を見逃さない、それが俺のできること。少しだけ、いつもより気持ちを込めて手を握る。
『何食べたい?今日はなんでも〇〇が食べたいものをね。』
「じゃあ…ラーメン。」
『…女子っぽさ0だね。』
「なんでもいいって言ったよね?」
いいじゃんって〇〇は笑う。こういう笑顔、俺は好き。そういう事、一つ一つ伝えてしまう俺だけど、今日は引き留めよう。
『とんこつ?』
「うん。あそこがいいね。」
いつも行くラーメン屋さん。2人で知っている道を歩く。
『俺、いつも〇〇に元気貰ってるな。』
「私もだよ。お互い様。」
元気がない時に、かける言葉はいつも思いつかない。
無理して何も言わない〇〇に対しては特に。
だからこそ、そばにいていつも通り、いつも通り。
『ほい、どうぞ。』
のれんを2人でくぐって、注文。
割り箸を渡して、2人で割る。
「ん〜…美味しい!これは間違いないね。」
『美味しいよね。本当にいつもいつも…ありがとうございます!』
お店の人に手を合わせる〇〇。お店の人も笑顔で返してくれる。
〇〇は愛される力がある。そう改めて思う。
『…じゃあ行きますか?』
「うん。ごちそうさま。」
いつもその笑顔に俺は癒されて、また抱きしめる。頭を撫でると、んんって声がする。
『ねえ、今日は元気なかった?』
「…うん、ちょっとね。」
『…元気出た?』
「うん。出たよ。」
体が離れるとありがとうって笑顔を向けてくれる。その笑顔に騙されるように唇を重ねる。
「…甘い。今日の裕翔、甘い。」
そう言いながら俺と手を繋いで歩き出す〇〇。
『また何かあったら、すぐに弱音吐いてよ。じゃなくても気づく。』
じゃあ連絡する必要ないじゃんって笑うけど、でも欲しいよ。
どんな時だって、好きな子からの連絡は1つの特別な愛なんだから。
…fin